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2014年11月24日 (月)

選挙に行きましょう。

選挙なんて興味がない。

政治のことなんてよくわからない。

行ったところで自分ひとりの票で世の中が変わるわけもない。

だから行かない。

20代の頃の自分はそう思っていた。

当時、与党だったのは、今と同じ自民党。総理大臣は、中曽根~竹下~宇野~海部~宮澤と、めまぐるしく代わり、自分が20代の終りを迎える頃に細川連立政権が誕生し、自民党は昭和30(1955)年の結党以来、初めて野党に転落した。

ちなみに、この10年間は、ほぼ、バブル景気と重なる。

つまり、日本の経済状態はとてもよかった。

おそらく、この国が経済的に繁栄した、最後の時期だと思う。

本当はその繁栄の陰にさまざまな問題が存在していたのだが、それに自分は気がついていなかった。

たとえば原発は、1985年から1995年までの10年間で、26基の運転が始まっている。廃炉扱いになった福島第一原発を除くと、日本の全原発の半数以上が、この時期に完成しているわけだ。

当時、すでに原発は社会問題となっていた。チェルノブイリ事故が1986年に起き、翌年、原発に警鐘を鳴らす広瀬隆の『危険な話』が出版されて話題になっていたことを、自分は記憶している。さらに、ファンだったRCサクセションが1988年に発表した『Covers』でも原発問題は取り上げられていた。自分が原発のことを知るチャンスは身近にいくらでもあったのに、そこで深く考えようとはしなかった。

そんなバカな若者だった自分には、選挙に行かない今の若者たちを批判する資格はない。ましてや「選挙に行け」などと偉そうに言いたくもない。何よりも自分自身が、人から命令されたり指図されたりするのが大嫌いだからだ。

しかし、バカな若者だったことをとても反省している自分は、今の若者たちに対して、後ろめたさがある。あの頃、少しでも諸問題について自分や自分と同じ世代がまじめに考えていたら、もう少しマシな世の中になったかもしれないという気持ちが、どこかにある。

今の世の中は、権力を持たない若者にとって、とても厳しい。

超少子高齢化社会が進んでいる現在は、ただでさえ若者の声が政治に反映しづらい構造になっている。その結果、若者は安い給料で長時間働かされ、そのうえ膨大な年寄りたちの年金や医療費まで稼がなくてはならない。そんな状況では結婚も子供作りも無理だが、さらに税金を収めないと、いずれ徴兵され戦場に送り出されるかもしれない。そうした政策に反対の声を上げようとデモをすると、今度はデモとテロを同一視する為政者によって牢獄に入れられるかもしれない。

国民はすべて「法のもとに平等」なのだから、若者だけがそんなひどい目に遭うわけはない、と思うかもしれない。そのとおり、厳しいのは若者だけではない。

自分もそうだが、大企業に勤めているわけでも富裕層でもない国民の90%は、実際にそういう厳しさに直面している。いくら株価が上がろうと、失業率が改善されようと、物価は高いままで給料は安いままである。そもそも、アベノミクスの考え方の基本にある、富裕層の「おこぼれ」に預かって生きていくというのは、奴隷と同じである。

自分は、奴隷にはなりたくない。

というわけで、ここまででおわかりのとおり、自分は若者のためを思って言っているのでは全然ない。何よりも自分のために、若者たちに選挙へ行って投票してほしいと頼んでいるのだ。

「自分たち若者が投票に行っても、世の中は変わらないよ」と思うかもしれない。

しかし、そんなことはないのだ。

たとえば、一昨年の12月に行われた衆議院選挙での20代の投票率は37.89%。30代は50.10%。この選挙で自民党が第一党に復帰して、安倍晋三が総理大臣になったことは改めて言うまでもない。しかし、その前、今から5年前の衆議院選挙。これで民主党が第一党になり、自民党を野党に引きずり下ろしたわけだが、このときの20代の投票率は49.45%。30代は63.87%。わずか12~13%の若者が投票しただけで、まったく変わるのだ(いずれも公益財団法人・明るい選挙推進協会調べ)。

つまり、若者が投票すれば政治は変えられるのだ。

確かに、民主党は国民の期待を裏切った。

しかし、一度の失敗で見限っていいとは、自分には思えない。

一般には評判がよろしくない菅直人だが、彼が首相になったときのスローガンは「最小不幸社会」だった。つまり、不幸な人がもっとも少ない社会を目指す、ということだ。

それがどれだけ実行できたかは疑問だが、少なくともこの信条は、「戦後民主主義からの脱却」を唱えながら、大企業や富裕層に手厚く、貧しく弱い立場の人間に冷たい安倍晋三首相の政策よりかは、共感できる。

今の若者たちは、自分が若者だった頃よりも他人に優しく、自然や地球全体のことを考えている人が多いように思う。それはこの国の経済状態も関係していると思うが、もはや経済大国を目指すのではなく、ともに手を取り合って、金銭的ではなく精神的な幸福を目指すという方向は、日本にとって正しい道だと自分は思う。

その道を日本が歩んでゆくために、次の選挙には行ってほしい。

もちろん、もはや若者ではない、あなたも。

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