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2011年12月 8日 (木)

70年前と31年前の12月8日に思うこと

 12月8日というのは、ある世代の日本人にとって忘れられない日だと思う。太平洋戦争前に生まれた人たちには真珠湾を奇襲して日米が開戦した日。それ以降、現在の40代までにとっては、ジョン・レノンが凶弾に倒れた日である。

 今日付けの東京新聞に、「3・11と日米開戦70年 坂本義和さんに聞く 日本の針路」という1P全面記事が掲載されている。
 1927年にロサンゼルスで生まれた坂本さんは、その後日本に戻り、14歳、旧制中学2年のときに日米開戦を知る。いとこたちが住むアメリカと戦うことに疑問を持ちつつ、悩みながらも「家族を守るため」と正当化していたことを戦後反省した彼は、東大法学部へ進み、教授となると、一貫して日本の再軍備に反対し、アジアへの戦後補償を求める立場で、多くの著述本を上梓し、発言してきた。
 自らを「政治学徒」と規定する、84歳の老学者の言葉には、自分が3・11以降に思い、感じてきたことが、より深く、明確に、力強く語られている。

 たとえば、「決定権を持つ者の責任を問わない民主主義はない」という言葉。これは、今回の福島第一原発の事故が、いったい誰の責任なのか、8ヶ月経ってもわからないことを指すと同時に、「原子力ムラ」という言葉で、責任の所在を明らかにしない、させない日本人の体質を問題視して語った言葉だ。
 「日本人は上の人間が下の人間の責任を問うことはあっても、下の人間が上の人間の責任を問う文化がない。とにかくこうなっちゃった、であきらめてしまう」とも語る坂本さんは、あの太平洋戦争で、最高責任者である昭和天皇が、1945年2月の時点で、重臣だった近衛文麿らから終戦=降伏を進言されながら手を打たず、敗戦時も何も責任を取らなかったということも指摘している。

 ちなみに、この日本人の「無責任体質」を痛烈に批判していたのが、あの植木等の『ニッポン無責任時代』という映画と、「無責任一代男」という歌だった。それを高校時代に知った自分は、その後の人生で、「偉そうにしている大人ほど責任を取らない」実例をつぶさによくわかっていたので、今回の東電・政府をはじめとする原発事故への対応、そしてそれを無批判=「無責任」に垂れ流すマスコミも、最初から信用していなかった。だが、その無責任性を知っていたなら、なぜこの事故の前に原発を止めるための行動をしてこなかったのか、という自分への悔やしさは、やっぱりある。

 それにしても、と思う。あの太平洋戦争とか、そのきっかけとなった日中戦争を引き起こした満州事変などは、当時の旧日本軍部と政府による情報統制のために、国民が真実を知り得なかったから、反対できなかったとよく言われている。自分も、3・11以前には、インターネットやメール、電話などが世界標準で発達している今、ああいう情報統制は無理だろうと思っていた。
 しかし、原発事故が起こってみたら、そうではなかった。ネットを使わない(使えない)、あるいはテレビや大新聞からの情報しか見ない人たちは、今でもそれらの情報を信じ切っている。それらのメディアの持つ「公共性」という言葉にだまされ、そうしたメディアが東電や「原子力ムラ」の企業・団体からどんな恩恵を受けているのか、考えない。想像しようとしない。

 結局この70年間、日本人はまったく変わっていないのである。

 坂本さんは、こうも言っている。
「戦争を経験していない世代に、『あの戦争を忘れるな』と言うだけでは足りません。人間は経験していなくても想像することはできます。他者と自分を関係づける時に、他者の立場を尊重して想像し、互いに想像力を交換することの大切さを学ばなければいけません。沖縄の問題も同じです。胸が痛むには記憶だけでは足りない。想像力とは、自分は経験していないが、経験したかのように感じること。人間らしさとはそういうものです」

 そして、1980年の12月8日、自宅近くでマーク・チャップマンという男に銃撃されて命を落としたジョン・レノンも、同じことを言っている。ご存じの通り、彼には、「Imajine」という有名すぎるほど有名な曲があり、こういうことが歌われている。

想像してごらん 天国などないことを
それはとても簡単なことだ
地面の下には地獄なんかない
僕らの上には ただ空があるだけ
想像してごらん みんなが
ただ今を生きていることを

想像してごらん 国なんてないことを
さして難しいことじゃない
殺す理由も死ぬ理由もないし
宗教もない
想像してごらん みんなが
ただ平和に生きていることを

僕のことを夢想家だと言うかも知れない
でもそう思ってるのは僕だけじゃない
いつか君たちもみんな仲間になり
世界はひとつになれるはずだ

想像してごらん 何も持たないことを
君ならばきっとできるはず
欲張ったり飢えたりすることもない
人間はみんな兄弟なんだ
想像してごらん
みんなが世界を分かち合っていることを

僕のことを夢想家だと言うかも知れない
でもそう思ってるのは僕だけじゃない
いつか君たちもみんな仲間になり
世界はひとつになれるはずだ

 今、日本人に必要なのは、誰かからもたらされた情報を鵜呑みにせず、自分で考えてみること。そして、坂本さんやジョン・レノンが言うように、いろんなことを「経験したかのように想像すること」だと思う。


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コメント

前略 勝手ながらツイートさせていただきました。今日の東京新聞なかなかだと感じ
私も写真に納めたところでしたが、貴兄のブログを見て同意と思った次第です。
執筆ご健闘くださいますよう。       

hideji60さん、コメントありがとうございます。
東京新聞は、まだ取り始めて2ヶ月程度ですが、本当に内容のある記事が多く、もっと早くから購読していれば良かったと思います。
聞けば経団連の圧力で、大手企業の広告が入らず大変なようですが、若手記者が率先して原発記事を取材・執筆しているそうです。今後とも、今のような姿勢で頑張って欲しいと思います。

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